Coca Colaの生成AI CM

コカコーラが生成AIで作ったTVCMが炎上しているという記事です。

https://gigazine.net/news/20241120-coca-cola-ai-holiday-season-commercial/

こういうAI反対派と推進派の意見対立は、これからもしばらくこういう表現が商業的に世に出るたびに起きるでしょう。

 

記事の中に、

「このホリデーシーズンCMは、Secret Level・Silverside AI・Wild Cardという3つのAIスタジオがLeonardoLumaRunwayKlingというAIを用いて、1995年に公開された「Holodays are coming」というホリデーシーズンCMをオマージュして制作したものです。CM制作には従来の方法だとおよそ1年かかるのが、AIを使ったことで制作期間は2カ月程度だったとのこと。」

とあります。

この通りであればMIdjourneyは使ってないんですね。Leonardo AIでベースの画像を作ったようです。LumaというのはおそらくDream Macineのことです。それとRunway Gen3、中国製のKling。もちろんエンタープライズ版を使っているのでしょうが、この規模のプロジェクトになるともしかするとクライアントかエージェンシーがAIディベロッパー(そんな言葉があるのかどうか知りませんが)と契約して最新の技術を試しているかもしれません。

生成AIを広告で使う話をしていると、いつも著作権が問題ではということになるのですが、コカ・コーラは少なくともここで公表されているAIについては著作権問題はクリアと判断したわけですね。これは大きな前例になります。

 

一方、この制作期間の話はどうかなと思います。試行錯誤がかなりあるはずなので、企画が決まった後からと考えても2ヶ月じゃ全然無理でしょう。グローバル企業だからチェックも厳しいだろうし、さらには生成AIで不備が出たところをCGやデジタル編集で修正しているはずなので、それだけでも2ヶ月はかかると思います。

記事の中にもこんな意見が載っています。

「コカ・コーラのロゴをすべてのフレームで正確に表示するためには膨大なポストプロダクションが必要です。膨大な量のポストプロダクションをアニメーターに依頼したという事実を隠すのは誤認広告であり、非常に不誠実な行為です」

全くその通りですが、広告というのは ”本物よりよく見せる” ものなので、それを「不誠実」と言われてもね、とも感じます。

数カット、走るトラックの車輪が止まっていたり、プレゼントの箱が不自然に滑るように見える部分があるのですが、あれはAIらしさのためにわざと残したのかな?

 

記事の中にはこんな意見も載っています。

「私は自分のアート作品はすべて人間が制作したものであってほしいのです。AIアートは人間がすでに作ったものの単なる繰り返しです。そこには独創性も魂もありません」

これは反対派の代表的な意見だと思います。

私は人間が手で創り上げる作品・表現・文化は素晴らしいと思っています。ですのでこの意見を否定するわけではありません。でも、私はAIはそのための新しい道具だと考えています。道具を使ってそこに魂を込めるのは使う人間の仕事です。

AIを道具だと認識しておくことは重要なことだと思います。数年後にはAIは人間より賢くなって、しかも身の回りに普通に存在するようになります。その時に「もうなんでもAIにお任せでいいや」ってなってしまったら、それこそ人間は魂を失います。楽をするとそうなります。「人間が主体的にAIを使う」という意識を持つことはとても重要なことだと思っています。今からトレーニングしておいた方がいいですよ。

 

コカコーラのAI CMは3本あるようです。

記事に載ってない2本はこちら。

サンタの足元のカット、すげーよくできてるな。あれはびっくりだ。

 

 

 

 

 

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